「車のナンバープレートを外す」・・・こんなシーンを考えたことがありますか?
誰もが体験することではありませんが、ごく稀にナンバープレートを外し新しいものに交換することがあります。
ナンバープレートの取り外し、取り付けは代行してもらうこともできますが数万円の費用が必要です。
ナンバープレートは基本的にボルトで固定されているだけなので、自分でも簡単に作業する事ができます。
ただし、ナンバーには「封印」という物がついておりこれを外すには、外し方を知る必要があります。
封印の外し方も難しい物ではありませんので、この記事ではナンバープレートに付いている封印の意味や外し方、交換方法を詳しく紹介します。
ナンバープレートの封印とは?
車の後方ナンバープレートをよく見てみると、左側だけ刻印の入った銀色のアルミキャップがついています。
これが「封印」と呼ばれるものです。
封印はナンバープレートを固定するネジを覆う状態でついています。
サイズとしては小さいのですが、実はサイズ以上にその役割はとても大きく、普通自動車が封印なしで日本の道路を走行することはできません。
国土交通省の封印制度について
封印制度は国土交通省による制度です。
封印制度
自動車登録番号標は、自動車の前後に見やすいように取付け、封印の取り付けを受けなければならない。封印の取り付けは、自動車の後面に取り付けた自動車登録番号標の左側の取り付け箇所に行う。
(道路運送車両法第11条、道路運送車両法施行規則第7条、第8条、第8条の2)封印の取り付けは、国土交通大臣または道路運送車両法第28条の3第1項による委託を受けた「封印取付受託者」から受けなければならない。
(道路運送車両法第11条)「封印取付受託者」はその要件により、①再封印を含む全ての自動車へ施封を行える者と、②自ら販売する自動車などに限定して施封を行える者と大きく2つに分かれている。
国土交通省の自動車局自動車情報課「ナンバープレートの現状について」より
①については、運輸支局等に近接して事業場を設けることなども要件に含まれている。
(道路運送車両法施行規則第13条)
法律ですので少し硬い表現ですが、要は封印はしかるべき場所にしかるべき者によって取り付けないといけないということですね。
封印の役割とは?
封印の役割は主に以下の2つになります。
- 運輸局によって登録が正式に認められた証明
- ナンバープレートまたは車両の盗難防止
車両を正式に登録したものという証明になるということは理解しやすいですが、封印が盗難防止になるとはどういったことでしょう。
これは、封印が再利用できないものだからです。
封印は取外し厳禁で、一度取り付けるとあとは壊さないと外せない作りになっています。
所有を証明するための封印は他者が使えないように作られているということで1と2は関連し合っているのです。
誰がどこで封印するのか?
封印ができるのは基本、国または国が委託した代行者によって行なわれます。
国とは各都道府県に点在する運輸支局、代行者とはディーラーまたは整備工場で国が委託した封印受託者がいるところになります。
また、自動車に関する各種手続きを代行する行政書士が行なうケースもあります。
その封印をどこでするかですが、基本的にはナンバープレートの申請手続きを行なう運輸支局です。
ナンバープレートの申請には当該の車を運輸支局に持ち込む必要があります。
手続きが終了し新しいナンバーが交付されると運輸支局内で取り付け、そして最後の作業として運輸支局の担当者によって封印が取り付けられます。
しかし、運輸支局に車を持ち込まずに封印をする方法があります。
出張封印 – 運輸支局に車を持ち込まずに封印をする方法
出張封印とは、車を運輸支局に持ち込まなくても封印ができる制度です。
運輸支局では担当者が封印をしますが、出張封印では資格を持つ行政書士が車の所有者や車庫などに出向いて新しく交付されたナンバープレートおよび封印を取り付けます。このため、出張封印と呼ばれます。
取外したナンバープレートは回収され、運輸支局に返却されます。
運輸支局は平日しか開いていませんが、出張封印であれば車を持ち込む時間を気にせずに封印ができること、封印のためにどこかに出かけていく必要がないことなどがメリットになります。
一般の人は運輸支局で封印せずに持ち帰ることはできません。上述したとおり、資格を持つ者のみが取付けできます。
しかし、出張封印はどんなケースでも依頼できるものでもありません。
出張封印ができるケースは以下になります。
- 名義変更によってナンバープレートを変えるとき
- 住所変更によってナンバープレートを変えるとき
- 本拠の場所変更によってナンバープレートを変えるとき
- 自家用を事業用に変更するのでナンバープレートの番号を変えるとき
- ご当地ナンバーに変えるとき
※業者によってできるケースが異なります。
代行として資格を持つ業者に出張封印を依頼する場合の費用も紹介します。
地域によって差がありますが、20,000円~35,000円の範囲と考えれば良いでしょう。
再封印とは?
封印に関し、再封印という言葉があります。
その言葉とおり、再度封印をすることを指します。
もう一度封印しなければならない状況には、封印のところをいたずらで壊されてしまった、封印を盗まれてしまったということなどが考えられます。
封印無しに公道を走行することは違法ですので、即時再封印する必要があります。
手続きは管轄に関係なく、車検証を持って行きやすい運輸支局に行きます。窓口で再封印申請書を記入し提出、経由印が押されますのでその申請書と車検証を提出します。封印の台座を200円ほどで購入します。
すると、担当者が来て封印を取り付けてくれます。
封印は軽自動車やバイクにはない?
封印をしなければならない車両は普通自動車や大型車です。
一方、軽自動車やバイクには封印がありません。
この違いについて説明をしましょう。
封印の対象になるナンバープレートというのは自動車登録番号標です。自動車登録番号標は普通自動車、小型自動車、大型特殊自動車に付けられます。
しかし、軽自動車やバイクは車両番号標という名称のナンバープレートとなり自動車登録番号標と違うのです。
この違いから、封印の有無が決まります。
ナンバープレートを外す時ってどんなとき?
車両にとって無くてはならないナンバープレートを外すときとはどんな時でしょう。
- 引越しをして管轄の運輸支局が変わったとき
引越しをしたら、転出・転入届けと同様にナンバープレートの変更手続きをする必要があります。
これは引越しによって、所有する車の登録をする管轄の運輸支局が変わったときにすることになります。
ナンバープレートにある地域名は、その車を管轄する運輸支局または自動車検査場がある地域の名前です。車の所有者を明確に表わす目的のナンバープレートを引越し先の管轄の運輸支局で正しい地域名にしなければならないのは当然のことなのです。
引越しのTo Doリストにナンバープレートの変更手続きを載せておきましょう。 - 自己都合でナンバープレートを変えるとき
引越しをしなくてもナンバープレートを変えるケースがあります。
上で述べたとおり、ナンバープレートは一目で情報が分かるような状態出なければいけません。汚れや破損があれば、ナンバープレートを変えて新しいものにする必要があります。
また、希望ナンバーや図柄ナンバーなど自分の希望の数字やプレートのデザインにしたいときもナンバープレートを変えることになります。 - 廃車をするとき
それまで乗っていた車を廃車することがあります。不具合が起こることが頻繁になってきた、古い年式で部品が手に入らないなどがタイミングです。一般的には、10万km走行したか、または10年経ったなどが判断の目安と言われています。
廃車をするには正式な手続きが必要です。この手続きの一環にナンバープレートの返納が義務付けられています。記念にと手元にとっておくことはできませんのでご注意ください。
廃車の場合は、業車が外してくれると考えていれば間違いありませんが、自分でナンバープレート変更の手続きをする場合、運輸支局で車から古いナンバープレートを自分で外すことになります。
このように、ナンバープレートを外すことはどのオーナーにとっても起こり得ることになります。
ナンバープレートを外すには2つのやり方があります。
ナンバープレートを外す2つのやり方
誰がナンバープレートを外すのかという違いで2通りのやり方があります。
- 代行業者に依頼する
ナンバープレートを何かの理由で変えるときに、代行業者に申請を依頼することがあります。この変更は運輸支局での申請作業をお願いすることになります。この手続きには当該の車を持ち込む必要がありますが、代行業者によってはそれも含んで請負うことがあります。こういった場合では、ナンバープレートを外すことも合わせて依頼することができます。 - 自分で外す
運輸支局でナンバープレート変更の申請作業を自分でする場合、ナンバープレートは自分で外すことになります。
外す作業はそれほど難しいものではありません。
ここからは、自分でナンバープレートを外す場合の準備するもの、そして手順について紹介しましょう。
ナンバープレートを自分で外すときに用意する工具
まずは、準備を始めましょう。以下が用意すべきものになります。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- 10mmメガネレンチ
- 10mmスパナ
- 六角レンチ
- ペンチ
- 軍手
これらのツールは運輸支局でも準備されていますが、DIYをする人であれば特に使い慣れているものを用意します。
比較的容易に準備できるものばかりだということがお分かり頂けたと思います。
ナンバープレートを自分で外す手順
ナンバープレートを外す手順は以下になります。
封印が付いている後方のナンバープレートから説明します。
- 封印を剥がす
プラスドライバーを封印の中心にあて、体重をかけるような感じで力を入れます。
すると、封印に穴が空きます。
その穴にペンチを差し込み、きれいに剥がしとります。
または、封印の周りの溝にマイナスドライバーを差し込み持ち上げてめくることもできます。
- 固定ネジを外す
封印を剥がすとナンバープレートを車両に固定している固定ネジが現われます。ネジ山を潰さないようにプラスドライバーでネジを緩め、取り外します。 - ナンバープレートを外す
右側の固定ネジも同様に取れば、ナンバープレートが取り外せます。
前方のナンバープレートには封印が付いていませんので、2と3の手順で作業を行ないます。
ナンバープレートはとても簡単に取り外せることが分かりましたね。
盗難防止用の固定ボルトを使っているとき
年間1万件以上と言われ、多発するナンバープレート盗難の対策に盗難防止用の固定ネジを使っていることがあります。
この場合は専用のアダプターが必要となります。
アダプターが無い時は、ドリルなどの工具を使って取り外す必要があるため注意が必要です。
地域性なのか「なにわ」ナンバーは盗難防止ボルトが使われていることが多いと言われています。
ナンバープレートの外し方まとめ
引越しをして管轄の運輸支局が変わったときや、汚れや破損または希望ナンバーを申請するときにそれまで付けていたナンバープレートを外す作業があります。
代行業車に頼まず、自分でナンバープレートを外すことになっても基本ドライバーがあればできるような簡単なものです。
外したナンバープレートは必ず運輸支局へ返却することも忘れないようご注意ください。