車の相続と名義変更|亡くなった人の車の手続き・必要書類まとめ

車の相続と名義変更|亡くなった人の車の手続き・必要書類まとめ

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結論

車の持ち主が亡くなっても、車の名義は自動では変わりません。乗り続ける・売る・廃車にする、どの場合もまず相続人への名義変更が必要です。必要な書類は「普通車か軽自動車か」と「車の査定額が100万円を超えるか」で変わります。

この記事でわかること

  • 車検証のどこを見れば、相続の手続きが必要かわかるか
  • 普通車・軽自動車それぞれの窓口と必要書類
  • 査定額100万円以下なら使える、簡単な書類
  • 車検が切れている車を相続するときの進め方
  • 手数料などの費用と、名義変更のあとにやること

家族が亡くなったあとは、やることが多くて大変ですよね。車の手続きは後回しにしがちですが、順番さえわかれば家族でも進められます。この記事では、手続きの流れを「確かめる → 決める → 集める → 窓口へ」の順に説明します。

まず車検証で「持ち主(所有者)」を確かめる

最初にやることは、車検証で「所有者」が誰になっているかを見ることです。乗っていたのが亡くなった人でも、持ち主の名義が別の人や会社になっていることがあります。ここで、この先の手続きが変わります。

電子車検証と自動車検査証記録事項で所有者を確かめる場所の図

所有者が亡くなった人なら → 相続の手続き

所有者の欄に亡くなった人の名前があれば、その車は相続する財産になります。**相続人の誰かに名義を移す「相続による名義変更」が必要です。**運輸局の案内でも、所有者が亡くなった場合は相続の手続きが必要とされています。

相続人になるのは、配偶者と、次の順番の人です。配偶者はいつでも相続人になり、子どもがいなければ親、親もいなければ兄弟姉妹に移ります。

順番相続人になる人
いつでも配偶者
第1順位子ども(亡くなっていれば孫)
第2順位父母(亡くなっていれば祖父母)
第3順位兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪)

ローン会社・ディーラーの名前なら → 先にそちらへ連絡

所有者の欄がローン会社や販売店の名前なら、相続の手続きにはなりません。ローンの返済が終わるまで、車の持ち主はその会社のままだからです。まずその会社に連絡し、残りのローンや名義の移し方を相談してください。

電子車検証は「券面」に所有者が載っていない

2023年1月以降に交付された普通車の車検証は、ICタグ付きの「電子車検証」です。電子車検証は、カードの表面に所有者の名前が書かれていません。所有者は、一緒に渡される「自動車検査証記録事項」という紙か、スマホの「車検証閲覧アプリ」で確かめます。

車検証が見つからないときは、運輸支局で登録内容の証明書(登録事項等証明書)を取ることもできます。車検証は、ダッシュボードの中の車検証入れにまとめて保管されていることが多いので、まずそこを探してみてください。

車をどうするか決める(乗る・売る・廃車)

次に、家族で車をどうするか話し合います。乗り続ける場合だけでなく、売る・廃車にする場合も手続きが要ります。

売る・廃車でも、いったん名義変更が要る

亡くなった人の名義のままでは、車を売ったり廃車にしたりできません。どの場合も、まず相続人に名義を移してから次の手続きに進みます。運輸支局では、相続の名義変更に続けて、売却先への名義変更もできます。一時抹消(車を一時的に使わない手続き)を続けて申請することもできます。

どうする?手続きの順番
家族が乗り続ける相続の名義変更
家族以外の人・お店に売る相続の名義変更 → 買う人への名義変更
しばらく乗らない・廃車にしたい相続の名義変更 → 一時抹消(または永久抹消)

車検が切れている車は、そのままでは名義変更できない

【SWELL:キャプションボックス「車検切れの車は要注意」(枠 #D8473A/背景 #FDF0EE)ここから】

車検切れの車は要注意

親の車は、しばらく乗られないまま車検が切れていることがよくあります。**普通車の相続の名義変更は、車検が有効な車でないとできません。せっかく書類をそろえて窓口に行ったのに受け付けてもらえないと、がっかりですよね。

車検が切れているときは、これからどうするかで進め方を選びます。

どうしたい?進め方
すぐに乗りたい車検を受けてから、相続の名義変更をする
しばらく乗らない・手放したい相続の名義変更と一時抹消を、同時に申請する

一時抹消なら、車検が切れていても手続きできます。車検切れの車は公道を走れないので、車検場や解体工場まで動かすときは仮ナンバー(臨時運行許可)が必要です。仮ナンバーの取り方は車検切れの車を動かす仮ナンバーの取り方で詳しく説明しています。

置きっぱなしの期間が長い車ほど、下回りのサビが進みやすい傾向があります。雪の多い地域では、冬を越すたびに傷みやすくなるので、乗らないと決めたら早めに動くのがおすすめです。

名義変更の流れ(5ステップ)

相続による車の名義変更の流れを5つのステップで示した図
ステップやることどこで?
1車検証で所有者と車検の期限を確かめる自宅
2相続人の中で、誰が車を引き継ぐか決める家族で話し合い
3戸籍や印鑑証明書など、書類を集める市区町村の役所・法務局
4窓口で名義変更を申請する普通車は運輸支局、軽は軽自動車検査協会
5自動車税の申告と、保険の名義を変える窓口のとなりの税申告窓口・保険会社

ステップ2が決まらないと、普通車は書類を作れません。遺言書があれば、誰が引き継ぐかはその内容に沿って決まります。

必要書類【早見表】

書類は「普通車か軽自動車か」と、普通車なら「査定額が100万円を超えるか」で変わります。まず下の表で、自分の場合に要る書類を確かめてください。

普通車か軽自動車か、査定額100万円を超えるかで必要書類を選ぶフロー図
書類普通車・100万円超普通車・100万円以下軽自動車
車検証(原本)要る(有効なもの)要る(有効なもの)要る
亡くなった人の戸籍謄本など(または法定相続情報一覧図)要る要る要る(コピー可)
誰が引き継ぐかを示す書類遺産分割協議書(相続人全員の実印)遺産分割協議成立申立書(引き継ぐ人の実印)+査定書原則いらない
引き継ぐ人の印鑑証明書(3か月以内)要る要る住民票か印鑑証明書のどちらか1つ
申請書・手数料納付書要る要る申請書が要る
車庫証明書住所が変わるとき住所が変わるとき普通車と扱いが違う(地域による)

※相続人が1人だけのときや、遺言書があるときは、「誰が引き継ぐかを示す書類」が変わります(下で説明します)。

普通車・査定額100万円超:遺産分割協議書

相続人が何人かいる場合は、遺産分割協議書(誰が何を受け継ぐか、相続人全員で決めた内容の書類)を出します。相続人全員の実印が押されている必要があります。運輸局のホームページには、車だけを書く簡単な様式も用意されています。

普通車・査定額100万円以下:遺産分割協議成立申立書

車の査定額が100万円以下なら、遺産分割協議成立申立書という簡単な書類が使えます。引き継ぐ人1人の実印だけで作れるので、ほかの相続人の実印や印鑑証明書を集めずにすみます。相続人が遠くに住んでいて実印を集めにくいときに、とても助かる書類です。

使うときは、査定額が100万円以下だとわかる査定書や、査定額がわかる資料のコピーを添えます。書類が簡単になるだけで、家族で「誰が引き継ぐか」を決めておくことは同じです。

遺言書がある・相続人が1人のとき

遺言書で車を引き継ぐ人が決まっていれば、遺産分割協議書の代わりに遺言書を出します。公正証書の遺言以外は、家庭裁判所で検認(中身を確かめる手続き)を受けたものが必要です。法務局で預かってもらっていた遺言なら、遺言書情報証明書を使えます。

相続人が1人だけなら、話し合う相手がいないので、遺産分割協議書は要りません。その代わり、ほかに相続人がいないことを確かめるため、古い戸籍まで求められることがあります。

軽自動車は書類が少ない

軽自動車は、運輸支局ではなく軽自動車検査協会で手続きします。軽自動車の名義変更は手数料が無料で、遺産分割協議書も原則いりません。亡くなったことと相続人であることがわかる戸籍謄本などは、鮮明なコピーでも受け付けてもらえます。

ただし、死亡診断書は原則として使えません。戸籍謄本などか、法定相続情報一覧図を用意してください。新しく使う人以外が窓口に行くときは、申請依頼書も必要です。

戸籍は「広域交付」と「法定相続情報一覧図」で集めやすくなった

相続の手続きで一番時間がかかるのが、戸籍集めです。2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍謄本を取れるようになりました(広域交付)。窓口では、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの身分証明書が必要です。

本籍地が遠くにあっても、近くの役所でまとめて頼めるのは大きな助けになります。ただし、役所によっては本籍地への確認に時間がかかり、後日の受け取りになることもあります。

法務局で「法定相続情報一覧図」を作ってもらうと、戸籍の束の代わりに使えます。交付は無料で、預金や不動産など、ほかの相続手続きにも使い回せます。

準備チェックリスト
  • □ 車検証で所有者が亡くなった人だと確かめた
  • □ 車検の有効期限を確かめた(切れていたら進め方を決めた)
  • □ 普通車か軽自動車かを確かめた
  • □ 誰が車を引き継ぐか、家族で決めた
  • □ 査定額が100万円以下か、査定書で確かめた(普通車の場合)
  • □ 亡くなった人の戸籍謄本など(または法定相続情報一覧図)をそろえた
  • □ 引き継ぐ人の印鑑証明書(発行から3か月以内)を取った
  • □ 住所が変わる場合は、車庫証明書を取った
  • □ 代わりに窓口へ行く人がいる場合は、委任状(または申請依頼書)を用意した

窓口・費用・期限

窓口は普通車が運輸支局、軽は軽自動車検査協会

普通車は、新しく車を使う場所を受け持つ運輸支局(または自動車検査登録事務所)で手続きします。軽自動車は、同じく使う場所を受け持つ軽自動車検査協会の事務所・支所です。受付は平日の昼間だけのところが多いので、行く前に受付時間を確かめておくと安心です。

相続の手続きは複雑なので、運輸局も「事前に窓口へ相談を」と案内しています。車検証を手元に置いて電話で聞くと、必要な書類を自分のケースに合わせて教えてもらえます。

本人が平日に行けないときは、家族などが代わりに手続きできます。普通車は引き継ぐ人の実印を押した委任状、軽自動車は申請依頼書を用意してください。

費用の目安(2026年10月時点)

費用普通車軽自動車
名義変更の手数料700円(窓口で申請の場合)無料
戸籍謄本など1通450円、除籍謄本などは1通750円(広域交付の場合)同じ
法定相続情報一覧図無料無料
車庫証明書住所が変わるときに必要。手数料は都道府県により異なる地域により届出が必要
ナンバープレート代管轄が変わるとき。地域・種類により異なる管轄が変わるとき

普通車の名義変更の手数料は、2026年4月1日に500円から700円に変わりました。古い記事では500円と書かれていることがあるので、注意してください。戸籍の手数料は、本籍地の役所で取る場合も含めて、自治体により異なることがあります。

期限は「15日以内」が決まり

道路運送車両法では、持ち主が変わったら15日以内に名義変更をすることになっています。とはいえ相続では、誰が引き継ぐか決まるまで手続きを始められません。話し合いがまとまったら、できるだけ早く窓口へ行きましょう。

名義変更がすぐにできない事情があるときは、県の自動車税事務所に連絡するよう案内している県もあります。

名義変更のあとにやること

自動車保険の名義を変える

名義変更が終わったら、任意保険の保険会社に連絡します。契約者や車の持ち主が変わったことを伝え、引き継ぐ人の名前で契約を続けられるか相談してください。自賠責保険も、車についている保険会社に名義の変更を届け出ます。

自動車税の申告と、廃車にしたときの還付

普通車は、運輸支局のとなりにある自動車税の申告窓口で、名義が変わったことを届け出ます。県によっては、相続関係がわかる書類(遺産分割協議書のコピーなど)もあわせて求められます。自動車税の納税証明書が見当たらないときは、自動車税の納税証明書のもらい方・再発行が参考になります。

相続のあとで普通車を廃車(抹消)にすると、自動車税が月割りで戻ってくることがあります。戻る金額の目安は廃車・売却で自動車税はいくら戻る?の計算ツールで確かめられます。

乗らない車は、売る・手放す方法も

家族の誰も乗らないなら、車をどうするかを比べてから決めましょう。どれが正解ということはなく、車の状態や家族の事情で選んでかまいません。

手放し方の比べ方

選び方向いている人気をつけたいこと
家族が乗り続ける毎日の足として使いたい保険・税金・車検の費用がかかり続ける
親戚・知人に譲る乗ってくれる人が身近にいる相続の名義変更のあと、もう一度名義変更が要る
お店に売るまだ乗れる車を手放したいお店によって値段が違うことがある
廃車にする古くて値段がつかない・動かない解体の費用や、動かすための手配が要ることも

売る場合は、相続の名義変更と売却の名義変更を続けて行います。書類の準備を手伝ってくれる買取店もあるので、査定のときに相談してみるとよいですよ。

相続した車を売るなら、無料査定で値段を確かめる方法も

「まだ乗れる車だけど、家族は乗らない」という場合は、まず値段を確かめてみるのも1つの方法です。査定書は、普通車で100万円以下かどうかを確かめる資料としても使えます。カーネクストは、ウェブから申し込める車買取サービスです。

申込み後、電話で車の状態や本人確認の連絡があります。

よくある質問

手続きは家族の誰が窓口に行けばいい?

車を引き継ぐ人が行くのが基本です。行けない場合は、引き継ぐ人の実印を押した委任状(軽自動車は申請依頼書)があれば、家族などが代わりに手続きできます。行政書士や販売店に頼むこともできます。

相続人が多くて、全員の実印を集めるのが難しいときは?

普通車で査定額が100万円以下なら、遺産分割協議成立申立書が使えます。引き継ぐ人1人の実印で作れるので、ほかの相続人の印鑑証明書は要りません。軽自動車なら、遺産分割協議書は原則として不要です。

査定額100万円以下は、どうやって確かめる?

買取店や販売店で査定を受け、査定額がわかる査定書をもらうのが確実です。運輸支局には、その査定書か、査定額がわかる資料のコピーを添えて出します。

名義を変えないまま乗っていたらどうなる?

法律では、持ち主が変わったら15日以内に名義変更をすることになっています。そのままだと、あとで売る・廃車にするときに手続きが進められず、困ることになります。誰が引き継ぐか決まったら、早めに手続きを済ませましょう。

目次

まとめ

車の持ち主が亡くなったら、乗る・売る・廃車のどれでも、まず相続人への名義変更から始まります。次にやることは、この3つです。

  1. 車検証(電子車検証なら記録事項)で、所有者と車検の期限を確かめる
  2. 家族で誰が引き継ぐか決め、早見表で自分に要る書類を確かめる
  3. 車検証を手元に、運輸支局か軽自動車検査協会に電話で相談する

参考

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