車のエンジンが何故かからない?原因と対処法、仕組みを徹底解説!

「エンジンがかかりそうでかからない」
「出勤しようと思ったのに車のエンジンがかからない」

こんな経験をしたことはありませんか?
急にエンジンがかからなくなれば慌ててしまいますし、人によってはパニックになってしまうこともあるでしょう。
同乗者や周りに人がいなく、助けを求められない状況であれば尚更かもしれません。

車のエンジンがかからなくなるにはもちろん原因があります。
原因はひとつではなく、うっかりミスから自分ではどうしようもない故障まで様々です。
原因を見極めることは難しい印象がありますが、トラブルを最小限に抑えるためにはある程度の知識と原因を知っておくに越したことはありません。

そこでこの記事では、エンジンがかからない、かかりづらいといった状況に考えられる原因を解説します。ぜひ、ご一読ください。

目次

車のエンジンに関する基本的なキーワードを紹介

エンジンがおかしいという場面で焦ってしまう人のなかには、その仕組みを普段あまり意識していない人も多いかもしれません。
そこで、エンジンがかからない原因を解説する前に、まずはよく耳にする単語を簡単に説明することから始めましょう。

自動車を修理に出すことになったとしても、ある程度の予備知識がある方が安心して整備工場の方と話ができます。

  • 呼気バルブ・排気バルブ
    呼気バルブはエンジンに綺麗な空気を取り込み、排気バルブはガスになった排気ガスを排出する際に開きます。
  • インジェクター
    ガソリンを排出させるパーツ。
  • シリンダー
    気体などを内部に納めるパーツ。
  • ピストン
    シリンダー内部にある空気やガスを円滑に出し入れするためのパーツ。
  • 点火プラグ(スパークプラグ)
    ガソリンと空気が混じった混合気を着火させるためのパーツ。
  • コンロッド
    ピストンとクランクシャフトを繋ぐパーツ。
  • クランクシャフト
    シリンダー内で発生するエネルギーをコンロッドを介して回転運動に変換するパーツ。
  • カムシャフト
    バルブを開閉させるためのパーツ。
  • タイミングベルト
    クランクシャフトとカムシャフトの作動のタイミングを制御するパーツ。

車のエンジンが働く仕組みとは?

エンジンが動く仕組み

エンジンに関する基本キーワードを抑えただけでは今ひとつピンとこないかもしれません。
そこで、これらのパーツによってエンジンがどう働くのか、その仕組みを解説します。

車のキーをひねると音を立ててエンジンが動き出します。
これは空気と燃料を混合させた状態のもの「混合気」に火花を飛ばし爆発させることから得るエネルギーを動力に変換するといった流れが起こっているからです。

この流れは以下1~4が繰り返されていることにより起こっています。

  1. 呼気 – ピストンが下降して呼気バルブが開きます。
  2. 圧縮 – 呼気バルブが閉じ、ピストンが上昇します。
  3. 燃焼 – 燃料が燃焼することによって、ピストンを下に押します。
  4. 排気 – ピストンが上昇して排気バルブが開きます。

エンジンの仕組みを簡単に紹介したところで、エンジンがかからない原因について話しを進めていきましょう。

エンジンがかからない場合に可能性のある原因とは?

エンジンがかからないとき、ちょっとしたうっかりで対応可能なものか、自分ではどうしようもない故障なのかをまず把握できるようにできると焦る気持ちを少し落ち着かせることができるでしょう。

そのためにはまず対応可能なのかを見極めるため、落ち着いて以下を確認しましょう。

原因① ガス欠になっている(燃料切れ)

ガス欠

もっとも基本的なチェックですが、ガソリンが入っているか確認をします。
燃料(ガソリンや軽油)がなければエンジンはかかりません。

対処法

近くのディーラーやロードサービスなどに連絡し、燃料を補充します。
ガソリンスタンドで、携行缶などに給油している姿をたまに見かけますが、基本的に禁止されているスタンドがほとんどですので、自分で買いに行く場合は注意が必要です。

原因② ハンドルロックがかかっている

ハンドルロックは盗難を防ぐための機能で、どのメーカーの車にも搭載されています。

キーを抜いたままでハンドルを回そうとすると強制的にロックがかかりハンドルを動かなくすることで盗難防止の役割を果たします。
子どもがハンドルを操作しようとするなど気づかないうちに誤操作でロックがかかってしまうことがあります。
ハンドルロックがかかっていないかを確認しましょう。

対処法

ハンドルロックは、ハンドルを回しながらエンジン始動ボタン(スターター)を押すか、キーを回します。

原因③ スマートキーの電池が切れている

スマートキーやインテリジェントキーなどキーレスの車の場合、リモコンが電池切れになっていないか確認します。
一般的には電池の寿命は1年~2年ということも覚えておきましょう。
エンジンがかからないというトラブルはこのキーレス車の普及によって比例して増えています。

対処法

スマートキーの電池切れの場合は、他の方法でエンジンを指導する事ができます。
しかし、メーカーや車種によって始動方法が異なりますので、公式サイトや取扱説明書を確認してください。

原因④ バッテリーが上がっている

ブースターケーブル

エンジンが停止した状態でヘッドライトやハザードランプなどの消し忘れにより、バッテリーに蓄えられた電気が減ってエンジンがかからなくなる状態です。この状態になると、モーターへ供給する電力が少なくなりエンジンがかからなくなるだけでなく、ライトやランプが点かない、メーター類やオーディオ、パワーウィンドウなど電気製品が動かなることなど多岐にわたるトラブルが起こります。

走行距離が短い場合、この寿命が短くなります。これは走行中にする発電の時間も短くなるためです。
バッテリーの上がる目安ですが、ライトなどを付けっぱなしにした場合は一晩で、室内灯では約40時間程度、そしてエンジンをかけない状態が3ケ月ほど続くことでも自然放電でバッテリーが上がります。

対処法

ロードサービスを呼ぶか、ジャンピングスタートをします。
ジャンピングスタートとは、他の車に電気を分けてもらう方法です。車のバッテリー同士を赤と黒のケーブル(ブースターケーブル)で繋いでエンジンをかけます。

原因⑤ バッテリーの寿命が終わっている

一般的なバッテリーの寿命は2年~3年と言われています。
寿命を超えて古いバッテリーを使っていると、エンジンが突然かからなくなることがあります。

対処法

バッテリーを新しいものに交換しましょう。

原因⑥ シフトレバーがPレンジに入っている

例えば、信号待ちや渋滞に巻き込まれて車を停車させるとき、オートマ車のシフトレバーをドライブからパーキングまたはニュートラルに入れるドライバーがいます。
オートマ車では誤発進を防ぐため、シフトレバーがパーキング(P)またはニュートラル(N)に入っているときにはエンジンがかからないように作られています。

対処法

シフトレバーを確認し、パーキンまたはニュートラルに入れましょう。

原因⑦ ブレーキペダルを踏んでいない

ブレーキペダル

エンジンをかけるとき、ブレーキをしっかり踏んでいますか?
オートマ車ではブレーキペダルの踏み込みが浅いとエンジンがかかりません。

エンジンをかけるときにはブレーキペダルおよびクラッチペダルをしっかりと踏み込むよう意識しましょう。

対処法

ブレーキペダルをしっかりと踏みながらエンジンをかけます。

ここまで、エンジンがかからないときに確認すべき点が分かりました。
それでも原因が分からないことがあります。

エンジン本体のトラブルが原因の場合も?

他の原因として、エンジン自体に問題が発生していることも考えられます。

エンジンオイルが切れている

エンジンオイルはエンジン内のピストンやシャフトといったそれぞれのパーツを油膜で覆うことでスムーズに動作させる役割を持っています。
エンジンオイルが不足した状態になると、エンジンが正しく動作しません。エンジンがかからないといったトラブルもオイル切れから起こる可能性があります。

エンジンのオーバーヒート

エンジンのオイル切れの状態が続くことでオーバーヒートを起こすことがあります。
オーバーヒートを起こしているかは、水温計の針がH(Hot)に近づいているか、115℃を超えているかで判断できます。
オーバーヒートはエンジン回転数を不安定にするだけでなく、エンジンがかからない状態にしてしまうことがあります。

どうしてもエンジンがかからない場合は

ロードサービス

自動車整備工場やロードサービス

原因になりそうな箇所をチェックしてもエンジンがかからない場合は、プロの手を借りましょう。
近隣の自動車整備工場やディーラー、ロードサービスに連絡してください。

任意保険の窓口

任意自動車保険に加入している場合は、ロードサービスが付帯している場合があります。
無料またはお得な料金で対応してもらえるケースもあるので、加入している自動車保険を確認してみましょう。
サービスの保証対象は契約している車両のみとなる事がほとんどですので注意が必要です。

ガソリンスタンド

バッテリーの充電や交換は近くのガソリンスタンドでできることがほとんどです。
出張サービスを行うガソリンスタンドもあるので、ロードサービスなどをすぐに利用できない場合は頼れるかもしれません。

車のエンジンがかからない原因、そのときは?

突然エンジンがかからなくなるといった場面では誰でも焦りがちになります。
しかし、ガス欠、ハンドルロックやバッテリーなど起こり得る原因の知識を得ることである程度落ち着いて対応することができるようになります。

日頃から定期メンテナンスを行い、ブースターケーブルを車に準備しておくなどエンジントラブル対策をしておくことが重要です。

また、ロードサービスを契約しておくとエンジントラブル以外のトラブル時にも駆けつけてくれるので安心です。

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