大型免許取得にかかる費用は?クリアすべき4つの条件と期間

大型免許には、大型自動車第1種と大型自動車第2種という2つの異なる免許があります。
この2つの免許の大きな違いは、「自家用」か「業務用」かという点です。

業務用の第2種は、観光バスや大型のトラックなどを運転するのに必要なもので、この免許を持っていると就職や転職で有利になります。
近年の配送ドライバー不足が理由のひとつですが、この機会に大型免許を取得しようと考える人もいるのではないでしょうか?

しかし、ここで気になるのが費用や期間です。費用によっては取得に進む人、少し待とうという人に分かれるでしょう。

そこで、この記事では大型免許の取得にかかる費用について解説をします。
加えて、大型免許の概要や取得方法も合わせて紹介します。
大型免許を取ろうとお考えの人はぜひご参考にしてください。

目次

1種と2種がある大型免許。その違いは?

大型1種と大型2種免許の違い

一言で大型免許と言っても、1種と2種という2つの異なる免許があります。
どちらも大型車両を運転するための免許というポイントは同じです。
では、違いとはどういったところなのでしょう。

大型1種とは、荷物の運搬などのために大型車両を使うための免許です。このとき、乗客は乗せません。

それに対して大型2種ですが、こちらは乗客を運ぶことを目的として大型車両を運転するための免許になります。
運送によって運賃が発生する公共交通機関としての役割があります。

2つの大型免許の違いとはその目的であり、乗客を乗せるか乗せないかという点で大きく分かれることがお分かりになったでしょうか?

この違いを理解し、自分がどちらの免許を取得したいのか判断します。
ナンバープレートで言うと、自家用は白ナンバー、業務用は緑ナンバーとして区別されています。

なお、免許の取得方法ですが基本的には同様です。
教習所、合宿などで教習を受けてからか、直接運転免許試験場で試験を受けるという流れになります。

1種と2種で難易度は違う?

さて、この2つの免許を取得する難易度は違うのでしょうか?
その答えですが、乗客を乗せるという「旅客運送」という視点から大型2種のほうが難易度が高く設定されています。

これは、旅客用の運転技術や知識が自家用以上のものが求められるという理由からです。
乗客の命を預かると言っても過言ではないことから、試験の採点は厳しくなり、大型2種における技能試験の合格率はかなり低く10%ほどと言われています。

大型1種の免許を持っている人が2種を受ける場合でも、その内容の違いから学科試験が免除になるということもありません。

大型免許で運転できる車種

ここで、大型免許を持つことでどのような車種を運転できるかをみてみましょう。

大型1種免許:大型自動車、中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動付自動車
大型2種免許:路線バス、観光用バス、旅客運送のための中型自動車および普通自動車、代行運転のための普通自動車

大型免許で運転できる車両の大きさ

大型車両は車高が高く、普通自動車などと比べてかなり異なる感覚があります。
大型1種および大型2種とも、車両総重量は11トン以上、最大積載量6.5トン以上の自動車が運転できます。
乗車定員は30以上ですので、大型バスなどがこれに当たります。上述した通り、乗客を乗せる場合は大型2種免許が必要となります。

さて、大型免許の概要を理解したところで、実際に取得する際の流れ、そして気になる費用について話しを進めていきましょう。

大型免許をとるための4つの条件とは?

大型免許を取ろうとする人は、以下の条件をクリアしていなければなりません。

  • 免許取得日に満21歳以上である
  • 普通自動車免許(マニュアル車)、準中型免許、中型自動車免許、大型特殊自動車免許のいずれかを取得し、取得から3年以上が経過している
  • 両眼で0.8以上、片眼で0.5以上の視力がある
  • 深視力検査の平均誤差が2cm以内、赤・青・黄の色識別ができる
  • 10メートルの距離で90dBの警音器が聴こえる(補聴器使用可能)

免許取得してから3年以上が経過していなければなりませんが、その期間のなかでもし免許停止などの処分があった場合はその期間が含まれませんので注意します。

また、オートマ車(AT限定免許)の場合は、取得期間に含まれませんので、大型免許を取得する場合はMTの免許を取得してからになります。
視力ですが、眼鏡やコンタクトレンズの使用ができます。

普通免許後の経過期間が条件になっているのは大型免許のみです。3年以上の運転経験者だけがこの免許を取得できるということになります。
すべての条件を満たしているかご確認ください。

大型免許を取得する流れ

では、大型免許を取得する流れを確認しましょう。
まずは、大型免許の教習を実施している自動車教習所を探します。すべての教習所で行なっているわけではないので注意します。

タイミングによっては待たなければなりませんが、合宿免許も確認することをおすすめします。
自動車教習所または合宿免許の他、一発試験を受けるという選択があります。

さて、免許取得の流れは以下になります。

自動車教習所または合宿免許の場合

入校後、第1段階として技能講習と学科講習を受けます。すべて終了すると、技能終了検定を受けます。この検定に合格すると仮免許証の交付となります。
続いて第2段階としてさらに技能講習と学科講習を受け、終了した時点で卒業試験を受けます。

第1段階では、運転姿勢、発信と停止の方法、進路変更など車両の基本的な操作や走行を学習します。
第2段階では実際に路上に出ての教習となります。交通の流れがあるなかでの走行、信号や標識を確認しながらの運転など様々な教習を受けます。

卒業試験に合格した後は、運転免許センターで視力などの適性検査を受け、問題がなければ大型自動車第二種免許を取得するということになります。
運転免許センターでの技能・学科試験は免除されます。

大型免許取得にかかる費用は?

大型免許取得費用

大型免許は何種類かの免許のうち、いずれかを取得してから3年以上が経過していることが条件だと上で述べました。
大型免許の取得にかかる費用ですが、実はどの免許を所持しているかによって違ってきます。

以下、取得までの目安の期間とともにみていきます。
金額は地域によっての差があること、また仕事をしながら時間を見つけて通学するには取得期間に大きな個人差があるということを理解の上、目安としてご覧ください。

①普通自動車免許を所持してる場合の大型免許取得費用と期間

約40万円~55万円
通学で20日間~40日間、合宿免許で約13日間

②中型自動車免許を所持してる場合の大型免許取得費用と期間

約20万円~25万円
通学で約14日間、合宿免許で約9日間

このように、中型自動車免許を持っていると普通自動車免許を所持している人よりも安い費用かつ短い期間で大型免許を取得できることが分かります。
さらに言えば、通学よりも短期の合宿免許のほうがコストを抑えられます。

大型免許と中型免許の違い

◎大型車両
・車両総重量:11トン以上
・最大積載量:6.5トン ・乗車定員:30人以上 ※いずれかを満たした車両

◎中型車両
・車両総重量7.5トン以上11トン未満
・最大積載量4.5トン以上6.5トン未満
・乗車定員11人以上29人以下

車両の大きさ(寸法)に決まりはないため、重量要件さえ満たしていれば全長が10メートル以上の車でも中型免許で運転することが可能です。

部活の遠征でマイクロバスを運転する場合や4トントラックの運転を考えている方は、大型ではなく中型免許を取得すれば良いでしょう。
免許取得費用も期間も大型免許よりは安く、期間も2日程度短くなります。

教育訓練給付制度について

「大型免許は取りたいけど、費用が高くて迷うな…」という方におすすめなのが「教育訓練給付制度」です。

教習所によって利用できるところがあります。
教育訓練給付制度は、厚生労働省が認めた資格の取得を目指す人が専門学校や通信教育などを活用する場合に、入会金や受講料の費用の一部を国が負担してくれる制度です。

教育訓練制度をを利用すれば、教育費の最大20%(上限10万円)がハローワークから支給されるので、大型免許取得の費用を抑えることができます。(給付は免許取得後)

大型免許と同時取得できる免許

大型特殊車両の免許取得

大型免許を取得する場合、「けん引免許」と「大型特殊免許」を同時に取得することが可能です。

「けん引免許」は自動車の後ろに、750Kg以上の車を連結して引っ張りながら運転するための免許です。
トレーラーやタンクローリー、キャンピングトレーラーを運転する場合に必要な免許です。

「大型特殊免許」は大型特殊自動車と呼ばれる、ブルドーザーやクレーン車、除雪車などを運転するのに必要な免許で、多くの作業現場で活躍することができます。

大型免許を取得して、就職や転職を有利に進めたいと考えている方はぜひ同時取得を検討してみてください。

大型免許取得まとめ

  • 大型免許には1種と2種がある
  • 1種免許は自家用、2種免許は業務用
  • 大型免許を取る場合は、普通自動車免許の取得から3年以上が経過など4つの条件がある
  • 普通自動車免許を所持の場合の費用目安は約40万円~55万円
  • 中型自動車免許を所持の場合の費用目安は約20万円~25万円

大型免許、特に2種免許は乗客の命を預かるということで他の免許と大きな違いがあります。
そのため、難易度も高く設定されています。費用もかかることから、取得する意志を強く持ってチャレンジすべきと言えます。
反面、大型免許の取得によってキャリアアップまたはキャリアチェンジに大きなステップが望めます。
ドライバーが減少している日本では売り手市場になっていることも後押しするでしょう。
運転が得意で好きなドライバーであれば、ドライバーキャリアのため大型免許の取得を一度考えてみることもありではないでしょうか?

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