車のエンジンがかからないのは「バッテリー上がり」5つの原因と3つの対処法

「車のエンジンが急にかからなくなってしまった」
「エンジンをかけようとするときガガガという音がする」

このようなトラブルが起こったら、「バッテリー上がり」かもしれません。
ロードサービス会社の持つデータでも、一般道でも高速道路でも上位の救援依頼にバッテリー上がりが入っています。
バッテリー上がりを防ぐことは、そのまま多くのトラブルを防ぐことにつながります。

そこで本記事では、バッテリー上がりとはどのような状態なのか、そうならないための対処法は何なのか、そしてバッテリーの残量を測るためのグッズ紹介など詳しく解説していきましょう。

目次

「バッテリー上がり」とはどういう状態?

バッテリーが上がるとは、何かの理由によってバッテリーに蓄えられていた電池が減少したために、エンジンを含むあらゆる電子機器に電力を供給できなくなることを指します。

「バッテリーの電池<電子機器が使う電力」というイメージです。
エンジンを始動させるためのセルモーターもバッテリーから電力を得ることで回転しています。
バッテリーを必要とするその他の電子機器にはヘッドライト、ブレーキランプ、オーディオ、エアコン、また搭載している場合はカーナビも含まれます。
このような機器が電力を必要としているのに、必要量をバッテリーから得られない状態です。

バッテリーが上がっている時の症状

①エンジンがかからない

通常はエンジンをスタートさせると「キュルキュルキュル」とセルモーターの動く音がしてエンジンがかかります。
バッテリーが上がった状態の時は、セルモーターへ電力が供給されないため無音もしくは「ガガガ」「カチカチ」といつもと違う音がします。

②ライト・ランプが点かない

ヘッドライトがつかない

車のドアを開けると、室内灯が点くようにしてる方も多いと思います。
これはバッテリーの電力を使っています。バッテリーが上がると室内灯などの電気類が点灯しません。

また、ハザードランプやヘッドライトなども点かないのでこれらをチェックすることで、バッテリー上がりかの判断ができます。

③電装品が動かない

ライト類以外にも、パワーウィンドウ(窓)やオーディオ、電動シートなど車内にあるすべての電気製品が動かなくなります。
完全にバッテリーが上がってしまうとリモコンキーも動かなくなる場合があるので注意が必要です。

なぜバッテリーが上がってしまうのか?5つの原因

バッテリー上がりの状態だと、エンジンをかけようとするときにガガガという異音がすることがあります。
なぜバッテリーが上がってしまうのでしょう。

それには以下、具体的に5つの理由が考えられます。
実際に見てみると、どんなドライバーでもうっかりやってしまうミスだったり習慣からくるものだったりしますので、ロードサービス会社への救援依頼の上位がバッテリー上がりということも頷けます。

原因① ライトを消し忘れてしまった

うっかりライトを消すのを忘れてしまった、こんなときにバッテリー上がりが起こってしまいます。
ライト類にはヘッドライト、スモールランプ、室内灯、そしてハザードランプなどがあります。
特にヘッドライトは消費電力が多いので、バッテリーが70%以上充電されていても数時間でもバッテリーが上がってしまうことがあります。

原因② エアコンの使いすぎ

車のエアコンは日本の暑い夏にはなくてはならないものです。
しかし、エアコンは電子機器のなかでも大きな電力を消費します。
炎天下に駐車してあった後に最大風力でかけたり、使いすぎたりするとバッテリー上がりにしてしまうことがあります。特に、エンジンが停止した状態では発電機でなくバッテリーから電力が供給されるために注意しなくてはいけません。
おすすめのポイントは温度を低めに設定、風力を弱めにすることです。というのも、電力は特にエアコンのファンを回す力に使われているからです。

原因③ 気温や季節でバッテリー液が冷えてしまった

雪国にお住まいのドライバーであれば知識があることかもしれませんが、バッテリーは寒い時期に上がりがちです。
バッテリー内部のバッテリー液は化学反応を起こすことで充電や供給を行なうのですが、温度が低くなるとこの化学反応が鈍くなってしまうのです。
寒い季節にバッテリー上がりを避けるには、自動車自体にカバーをかけることを忘れないようにするなど工夫が必要です。

原因④ あまり車に乗っていない

都心では特に車を日常的に使っていないドライバーが多いのではないでしょうか?しかし、バッテリーはそういう間にも自然放電しています。久しぶりに車に乗ろうとしたけれどバッテリーが上がってしまってエンジンがかからないということがよく起こります。

原因⑤ バッテリーの寿命がそろそろ終わる時期

バッテリーには寿命があります。それは2年~3年と言われおり、これを越えて使っているとエンジンが突然かからなくなるというトラブルが起こります。バッテリーの交換は大切なメンテナンスのひとつです。

バッテリーの使いすぎを避け、寿命にならない前にバッテリー交換をするなど状態を管理することで、バッテリー上がりにしない対策が取れます。

しかし、いったん上がってしまったバッテリーはどのように対処すればよいのでしょう。

上がってしまったバッテリーの対処方法3つとは?

上がってしまったバッテリーを復旧させるには以下、3つの対処方法があります。

対処法① ブースターケーブルを繋いで復旧させる

ブースターケーブル

近くにブースターケーブルを使わせてくれる車があるときに使える対処方法です。ブースターケーブルで2台の車を繋ぐことでバッテリーを充電できます。
両車のエンジンを止め、ブースターケーブルでつなぎます。そして、救援してくれる方の車のエンジンをかけ、アクセルを踏みながら2分程度で充電をしていきます。そして、エンジンがかからない方の車のエンジンをかけてみます。エンジンがかかればバッテリーが復旧されたということになります。その後は30分ほど走行してさらに充電させます。

対処法② ジャンプスターターを使って復旧させる

ジャンプスターターとは外付けして使えるバッテリーです。
ジャンプスターター付属のケーブルを車に繋ぎ、ジャンプスターターの電源を入れ1分ほど経ったら車のエンジンをかけてみます。エンジンをかけたままでジャンプスターターの電源を切ります。その後は30分ほど走行してさらに充電させます。

対処法③ ロードサービスを呼ぶ

ロードサービスや自動車保険には緊急時に駆けつけてくれるサービスがあります。バッテリーが上がってしまったときにこのサービスを利用するのも対処方法です。
例えば、JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)は会員でなくても救援依頼することができます。
24時間年中無休の「ロードサービス救援コール」に電話を入れたり、スマホにアプリをダウンロードし”JAFを呼ぶ”ページから利用できます。

バッテリー上がりと間違えやすい症状

エンジンがかからない時に真っ先に疑うのがバッテリーの不具合ですが、実はバッテリー以外にもエンジンがかからなくなってしまう原因がいくつかあります。
症状はバッテリーの不具合と似ている場合もあるので注意しましょう。

① セルモーターの故障

室内灯やライト、メーター類の電装部品は正常に動くが、セルモーターが動かずエンジンがかからない場合は、セルモーターが故障している可能性があります。

② ガス欠

なさそうでありそうなガス欠。燃料タンク内のガソリンが空になると当然エンジンはかかりません。

バッテリーは問題がないので、室内灯やメーター類、セルモーターは「キュルキュルキュル」と動きます。
にもかかわらず、エンジンがかからない場合はガソリンの残量を確認してください。

③ シフトポジションの位置

上記同様、メーターや室内灯は正常に点きバッテリーに問題がなさそうな場合はガス欠以外にシフトポジションが間違っている事があります。

うっかりミスですが、シフトレバーがパーキング(P)に入ってることを確認してください。

④ ハンドル(ステアリング)ロック

盗難防止のためにほとんどの車にハンドルロック機能が付いています。
ハンドルを回そうとしても固定されていて動かない状態がハンドルロックされている状態です。

シフトレバーをパーキング(P)に入れた状態で、ハンドルを左右どちらかに回した状態で、スタートスイッチを押すかキーを回すことでロックが解除されます。

バッテリーの残量を測るスマホ連動バッテリーチェッカー

ほとんどの人がスマホを持つ時代、バッテリーの残量をスマホに連動して確認できるバッテリーチェッカーが人気です。
バッテリーチェッカーをバッテリーに接続し、スマホに専用アプリをダウンロード、Bluetooth機能を使いバッテリーの状態を簡単に確認できます。
バッテリー残量が減るとアラームを鳴らす設定ができたりと充電の状態を確認できますが、電力使用過多やオルタネーターの異常などを発見することも可能と大変便利です。
価格は1,300円台から5,000円程度です。
スマホの充電が減ってしまうのがイヤな方にはスマホ連動でないバッテリーチェッカーがあります。

これらのグッズを利用することで見える化の効果があります。充電が十分なのか、どれくらいの走行でどの程度残量が増えていくのか自分が管理することによってバッテリーが上がってしまうことを事前に避けられます。

バッテリー上がりまとめ

車のエンジンがかからないとき、まず疑いたいのがバッテリー上がりです。
今回紹介した5つの原因によってバッテリーに充電された電池が減少し、エンジンや電子機器に電力を供給できる量を下回ってしまいます。
ドライバーの皆さんご自身が普段からできることを習慣づけ、バッテリー上がりになってしまったときのためにジャンプスターターなどを用意しておくなどできることが多くあります。
バッテリー残量がどのくらいか見える化するためのグッズ使用もおすすめです。
それでも解決しない場合は、ロードサービスや整備工場で対応してもらうようにする、このような段階を踏んだ対処ができるようになるとトラブルで一番多いと言われるバッテリー上がりも怖くなくなるかもしれません。

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