皆さんの愛車のナンバープレートにはどのひらがなが使われていますか?
ひらがなの部分は正式には事業用判別文字と呼ばれています。
たった1文字のひらがなですが、実はその1台を識別するための情報が込められています。
では、どんなひらがなが使われていて、どんな情報が込められているのでしょう。
本記事では、ナンバープレートのひらがなを取りあげます。
使われるひらがな、使われないひらがな、ひらがながアルファベットになるケースなど色々な角度から紹介します。
ナンバープレートのひらがな、どういう意味?
ナンバープレートにひらがなが使われているのは日本ならではですね。
レンタカーなら「わナンバー」ということも周知されていたりします。
さて、このひらがなはどのような意味で使われているのでしょう。
事業用判別文字と呼ばれるこの文字は、その車両が自家用なのか事業用なのか、またはレンタカーなのかを区別しています。
その区別のためにひらがなが使われているのです。
ひらがなは一連指定番号の左横に位置し、1文字で表示されます。
どのひらがなを使うかには更なるルールがあります。
自家用車なら「さ」から、事業用なら「あ」から始まり、すべての番号を使い果たされると50音順に次のひらがなに進みます。
そして、また番号がすべて出し尽くされると次へ、というルールになっています。
このように、事業用判別文字(ひらがな)は管理されているのです。
それでは、それぞれの目的でどのひらがなが使われているのかみていきます。
自家用車(普通車)に使われるひらがな
さ行 さ・す・せ・そ
た行 た・ち・つ・て・と
な行 な・に・ぬ・ね・の
は行 は・ひ・ふ・ほ
ま行 ま・み・む・め・も
や行 や・ゆ
ら行 ら・り・る・ろ
これら29のひらがなが自家用車に使われます。これは普通自動車の場合です。
自家用車(軽自動車)に使われるひらがな
軽自動車となると扱いが少し違ってきます。あ行やか行、「よ・を」が加わり、「り」が抜けた以下39のひらがなが使われます。
あ行 あ・い・う・え
か行 か・き・く・け・こ
さ行 さ・す・せ・そ
た行 た・ち・つ・て・と
な行 な・に・ぬ・ね・の
は行 は・ひ・ふ・ほ
ま行 ま・み・む・め・も
や行 や・ゆ・よ
ら行 ら・る・ろ
わ行 を
普通自動車より軽自動車用のひらがなの数を多くしたのは、自家用として多くの登録台数が見込まれたからです。
事業用車に使われるひらがな
いわゆる営業車、社用車などビジネスに使われる事業用車。自家用車と違い、仕事や会社のために使われる目的の車には、以下のひらがなが使用されます。
普通自動車用(10)
あ行 あ・い・う・え
か行 か・き・く・け・こ
わ行 を
軽自動車用(2)
ら行 り・れ
レンタカーに使われるひらがな
レンタカーには「れ」と「わ」の2つのみが使われます。
近年流行っているカーシェアリングの自動車にもこれらが使われています。
多くの地域が「わ」を選んだとき、離島が本島との差別化を図るために「れ」を使っていたそうです。
現在は離島でも「わ」を使う車が増え、「れ」ナンバーが少なくなってきたと言われています。
そのせいか、レンタカーと言えば「わナンバー」のイメージが強いですね。
「れ」と「わ」とも貸渡し用ナンバーとして使用されますが、自分の車を持つことがステイタスだった時代に「わナンバー」のレンタカーはあまり良くない印象がありました。
デートでせっかく海辺のドライブに行くことになったのに迎えにきた相手が「わナンバー」だとレンタカーということがバレバレで一気に熱が冷めたなんていう話しもありました。
今では必要な時だけ借りることができるレンタカーにネガティブなイメージがありませんし、環境とお金に優しいカーシェアリングも浸透してきました。
使われないひらがな4つとは?
ここまで、自家用車、事業用車、そしてレンタカーに使われるひらがなを紹介しました。
しかし、使われていないひらがなが4つあったことにお気づきですか?
4つのひらがなとは「お」「し」「へ」「ん」です。
なぜ使われることがないのか一つひとつみていきましょう。
「お」
ナンバープレートは法律によって見やすく表示しなければならないと決まっています。そのため、まだ使える状態であっても汚れや破損があれば新しいものに変更することがあります。
視認性のポイントを考えると、「お」は「あ」は両方とも丸い形をしていることから見間違えやすいひらがなとして捉えられました。
このため、見やすいという観点から「あ」との混同を避けるため「お」は使われません。代わりとして「を」が使われています。
「し」
4という数字でもそうですが、「し」が死を連想させるひらがなと受け取られました。
安全運転が重要な車に”死”を連想させる表示があるのは縁起が悪いことから使用されません。
「へ」
「へ」を使わない理由はユニークです。「へ」が”屁”を連想させると考えられました。
どんなドライバーもイメージの悪いものは避けたいでしょう。冗談のようですが、おならを連想するところからという理由は話しのネタになりそうですね。
「ん」
「ん」が文章の頭にくることは日本語の文法上ありません。
車のナンバープレートにしても同じと考えられること、単純に言いづらい(発音が難しい)ため・読みづらいためということも理由になっています。
事業用判別文字(ひらがな)は自分の希望するものを申請できませんので、使えないものを選んでしまう心配はありません。
この4文字が使えないんだ、へぇ~というくらいで覚えていただければ良いでしょう。
さて、ここまではひらがなについて解説してきました。
しかしもうひとつ、ひらがな部分がアルファベットになるパターンがあります。
アルファベットのナンバープレートとは?
ナンバープレートのひらがな部分にE・H・Kといったアルファベットが書かれた車を見たことがありますか?
見かけたことのない人が多いかもしれません。
というのも、アルファベットのナンバープレートはとても特別なものだからです。特定の地域で見れると言い換えてもよいでしょう。
アルファベット入りのナンバープレートは、駐留軍人用車両のためにあります。日本で駐留軍人と言えば駐日アメリカ軍です。
アメリカ軍人や軍に所属する職員が使う車両にこのナンバープレートが使用されます。
このことから、横須賀市(横須賀基地)、厚木市(海軍飛行場)、多摩(横田基地)、八戸市(三沢基地)、山口県岩国市(岩国基地)、沖縄県などが特定の地域となり、これらのエリアではアルファベット入りのナンバープレートをつけた車をよく見かけるということになります。
アルファベットを以下、説明します。
※H・K・Mも使用可能ですが使われていないようです。
Y 国内で調達された個人所有車
E 非課税車両
T 本国から日本に持ち込んだ個人所有車
A オートバイ・軽自動車
ナンバープレートの「Y」の秘密
ここでYナンバーについてさらに説明を続けます。
なぜYなのか、その由来はこの制度が横浜の税務署で始まったことにあります。
そこで横浜の頭文字が使われているのです。
Yナンバー車には税金面でいくつかの優遇措置があります。
例えば、自動車税や重量税といった税金が低額に設定されていたり、ガゾリンも税率が低いため約半額で入れることができます。
ナンバープレートに記載のひらがなまとめ
ナンバープレートに記載されるひらがなは自家用車・事業用車・レンタカーを識別すること、ひらがなに変えてアルファベットを使うナンバープレートは駐留軍人用車両用です。
たった1文字のひらがな・アルファベットでも知ってみると奥深いことが分かります。
使われないひらがなについてもご参考になっていれば幸いです。