自動車税を全額納めたことを証明するのが納税証明書です。
納付をした証明をする役割を持つことから、車検や自動車を手放すときに提出が求められることになるため、車を所有する人は納税証明書について理解しておくと良いでしょう。
この記事では、納税証明書の概要について紹介するとともに、ペーパーレス化、車検との関係、PayPayやクレジットカードで納税したときの注意点や再発行の申請方法などいろいろな角度から解説します。
納税証明書とは?
自動車税は車の排気量によってその税額が決まります。
支払い方法ですが、各都道府県から毎年4月1日時点の車の所有者宛に5月初旬に納税通知書が自動的に送付されます。納税者はしかるべき納付期限(通常は5月末もしくは6月)までに一括納付が義務づけられています。
実際には納税通知書は「自動車納税通知書兼領収書」となっており、右側に通知書の一部として「自動車税納税証明書」が印刷されています。
ここからは自動車税納税証明書を納税証明書とします。
※納税証明書部分に記載されている内容をチェック(都道府県で多少違いがあります)
- 自動車登録番号
- 車台番号
- この証明書の有効期限
- ”上記の自動車について滞納がないことを証明します”(○○自動車税事務所長)
- この証明書は検査証とともに車内に保管してください。
- 領収日付けのないものは証明書として使用できません。
- 領収日付け印
自動車登録番号とはナンバープレートに記載された番号、車台番号とは車両の製造者からの届け出を受け国土交通省が付与する車両1台ずつに割り当てられた識別番号です。
納税者である車の所有者は納税通知書を持って、金融機関や郵便局の窓口やコンビニなどを利用して自動車税を納税します。
支払いをすると、右下の領収日付け印という枠に「領収・日付け・金融期間名・出納」が入った印が押されます。
これで、自動車税を全額支払ったという証明の納税証明書が完成したことになるのです。
納税証明書にも「この証明書は検査証とともに車内に保管してください。」と記載されている通り、紛失しないように保管するようにします。
納税証明書のペーパーレス化
2015年4月、納税証明書の扱いに大きな変化がありました。
国土交通省が運輸支局などと都道府県の間でシステムを連携させ、自動車税が完納されているか滞納がないのかといった情報を電子的に確認することができるようになったのです。
納税証明書を使うシステムがなくなったわけではありませんので、これまで通り金融機関などの窓口で支払いをして、必要とされるときに領収印が押された紙の納税証明書を使うことは可能です。
しかし、納税が済んでいるという電子データがあるということで、この小さな紙を万が一紛失してしまっても再発行の手続きが不要となりました。
納税証明書の役割。求められる場面は?
自動車税を完納したという証明になる納税証明書はどのような役割を持つのでしょう。
いくつかの場面で提出が求められますので紹介します。
車検を受けるとき
正式には自動車検査登録制度という車検ですが、公道を走るすべての車に義務づけられています。車検は1951年以来、道路運送車両法という法律によって定められており、該当の車が安全基準に達しているかを検査するものです。
自家用乗用車の場合、新車登録から3年目に最初の車検、それ以降は2年ごとに受けることが必須となっています。
車検を受ける時期になると、車検を行なう業者から案内の通知が届きます。車の所有者はそれをもって都合の良い日に予約を入れることになります。
さて、車検当日になると持参すべきものがあります。このなかに納税証明書が含まれるのです。
・自動車検査証(車検証)
・自動車損害賠償責任保険証明書
・納税証明書
・費用
・認印
自動車を手放すとき
買い替えなど、何かの理由で自動車を手放すときがあります。車を売却する上で納税証明書が重要な書類として扱われます。確実に納税がされた車であること、また、売却する車には車検が残っていると証明できることが強みになりプラス査定されることになるのです。さらに、次に所有する人とのトラブルを避けることにもなります。
注意!ペーパーレス納税証明書の使い方
電子化によって、納税通知書の一部である納税証明書を持っていなくても良いことになりました。
しかし、ひとつ注意すべき点があります。
電子データの場合、運輸支局で納税の確認ができるまで最大10日程度かかるところです。システムを使った電子化であれば、瞬時にデータのやり取りができるだろうと考えがちですが、自動車税については10日程度の猶予を見なくてはいけません。
このことから、自動車税を払っても車検や売却の時期がすぐ後の場合、納税の確認ができない=車検を受けられないなどといった問題が起こります。このケースでは紙の納税証明書の方が使えることになります。
納税と車検の時期の関係によって、提示する納税証明書が違ってくるということです。
車検まで時間がない、しかし、納税証明書を失くしてしまったという場合はどうすれば良いのでしょう。
納税証明書を紛失。再発行3つの方法
納税証明書は車検に必要な書類のひとつだと述べました。ペーパーレスの納税証明書が確認まで時間のかかる電子データと違い、納税からすぐに車検を予定していても、紙のものであればパッとすぐに用意できます。また、ペーパーレス化に対応していない地域もあり、納税証明書は持っているとやはり間違いありません。
ところが、2年に一度の車検、必要な時に限って納税証明書が見つからないという事態が起こる可能性があります。
そんなとき、再発行をする方法を抑えておけば安心です。しかも、再発行は最短で即日です。
納税証明書の再発行には3つの方法があります。
普通自動車はナンバーが登録されている運輸支局場内の自動車税事務所または都道府県の都税または県税事務所で、軽自動車は住所を管轄する市区町村役場で発行ができます。窓口であれば当日に発行してもらえます。
- 運輸支局場内の自動車税事務所
窓口で申請します。営業時間が平日のみという点に注意します。 - 都道府県の都税または県税事務所
こちらも利用は平日のみです。窓口を利用する他、自動発券機を使うこともできます。自動発券機で入力するナンバープレートの番号、車台番号の情報が必要なので車検証を持参します。自動発券機利用で注意したい点として、税を納めてから10日ほど経っていないとデータが反映されていないというところです。 - 郵送で申請
都税または県税事務所のホームページで申請書をダウンロードします。必要事項を記入して都税証明郵送受付センターなど該当の住所宛に郵送します。
発行の申請時に用意をするものは主に車検証となりますが、その他に関しては都道府県で必要な書類が違う場合があり、ホームページなどで事前に確認することをおすすめします。
また、手数料は無料です。しかし、こちらも都道府県によって有料の場合があります。
急ぎで再発行したい場合は受付時間を確認の上で窓口へ、時間に余裕がある、平日に窓口へ行けないときは郵送申請と使い分ける必要があります。
PayPayやクレジットカードなどは納税証明書がでない
自動車税は様々な方法で納付できる時代になりました。
Pay-easy(ペイジー)やアプリPayPay(ペイペイ)で払える都道府県が多くあります。手数料はかかりますがクレジットカードも利用できます。これらの利用にはスマホやコンピューターでいつでもどこでも納税ができるという大きなメリットがあります。ポイントがつくところもユーザーには嬉しいですね。
しかし、納税証明書について知っておく方がよい点があります。
スマホなどを利用した納税に関しては、自動的に納税証明書が発行されません。車検などですぐに必要な場合はやはり金融機関やコンビニでの支払いがおすすめです。
一方、ペーパーレス化のデータが確認できる程度の時間がある場合であれば特に支払い方法で心配することはないでしょう。
納税証明書まとめ
・納税証明書とは、自動車税を全納したことを証明
・納税証明書は車検時や車を手放すときに必要
・ペーパーレス化で紙の納税証明書がなくてもOK
・ペーパーレス化納税証明書は納税から確認が取れるまで約10日かかる
・納税証明書を紛失したときは運輸支局、都税(県税)事務所の窓口や郵送申請で
・PayPayやクレジットカードなどは納税証明書がでない
車検証や自動車保険と同様、大切な書類が納税証明書です。ペーパーレス化で便利になりましたが、自動車税は車検などの予定も考えてどの方法で支払うか選択する必要があるでしょう。