車の税金は排気量によって決まる。環境を配慮した車の減税も考慮しよう

自動車税という税金は車の排気量によってその税額が決まります。
車を所有していると他にも課せられる税がありますが、自動車税は金額が高く、しっかり把握しておきたい税です。
場合によっては排気量の小さい自動車を選ぶ人もいますね。

「排気量ってなんとなくしか知らない」
「自分の車の排気量ってどれくらい?」
「減税できる方法は?」

車に興味はあっても税金にはさほど関心がないと、納税通知書が届いてびっくりということになりかねません。
この記事では自動車税と排気量の関係について取りあげ、普通自動車と軽自動車にかかる税額、どのような増税と減税があるのかなど解説します。

目次

そもそも排気量とは?

車を選ぶとき、デザインや予算、新車か中古車かなどが大きな決め手になるでしょう。
しかし、排気量も外せないポイントです。

エンジン内部にシリンダーがあります。シリンダー内では空気と燃料を混ぜ合わせ圧縮・爆発させることでエネルギーを生み出しています。シリンダー内の容積によって使用する空気と燃料の量は異なりますが、これが排気量の力の差になります。
排気量の単位はL(リットル)またはcc(シーシー)が使われます。1リットル=1,000ccです。

例えば、イギリスのベントレーなら6,000cc超、日本のセンチュリーが3,000cc超といったところが排気量が大きい車です。

排気量が大きいほどエンジンを回す力が強くなります。
排気量が大きいメリットは優れた加速、登板力があること、車内の静かさを得られることなどが挙げられます。
逆にデメリットは、大量の燃料を消費する点でしょう。また、排出する排気ガスが多くなるため、環境によいとは言えない部分があります。

一方、スイフトやパッソなどは1,000cc以下で排気量の小さい車です。
コンパクトカーや軽自動車は排気量が小さくなります。
燃費に優れ、都市部などでは狭い場所でも運転がしやすいメリットがあります。後ほど解説しますが、環境に優しいための優遇措置が取られてることもあり、コストパフォーマンスに長けていると言えます。反対にデメリットは加速性能に劣る点でしょう。

排気量によって自動車税が決まる仕組みとは?

自動車税の税率の設定は総務省が行ない、地方税に基づき各都道府県が課税主体になります。
税額は排気量によって決まりますが、大きければ高くなり、小さければ安い設定になっています。

また、ぜひ知っておきたい情報としては、車の古さや環境に配慮しているかによって課税額が異なる仕組みがあるという点です。
この点に関しては後ほど解説しましょう。

「排気量別」自動車税の税額リスト

自家用乗用車は年に一度、4月1日時点の所有者に自動車税が課せられます。納税通知書が届いたら納付期限までに支払います。納付期限は一般的には5月末、都道府県によっては6月というところがあります。
さっそく、排気量別に設定されている税額をみてみましょう。
なお、以下の税額は新車としての登録が2019年9月30日以前の車になります。
※()内は2019年10月1日以降の金額

1リットル以下 29,500円(25,000円)
1リットル超~1.5リットル以下 34,500円(30,500円)
1.5リットル超~2リットル以下 39,500円(36,000円)
2リットル超~2.5リットル以下 45,000円(43,500円)
2.5リットル超~3リットル以下 51,000円(50,000円)
3リットル超~3.5リットル以下 58,000円(57,000円)
3.5リットル超~4リットル以下 66,500円(65,500円)
4リットル超~4.5リットル以下 76,500円(75,500円)
4.5リットル超~6リットル以下 88,000円(87,000円)
6リットル超 111,000円(110,000円)

このように、小さい排気量~大きい排気量と税額が変わっていくことが分かります。

どう調べる?愛車の排気量

自分の車の排気量はどこで分かるのかご存知ですか?排気量の大きさで愛車を選んだ人にとってはごく当たり前に知っていることかもしれませんね。
しかし、そうでない場合の調べ方を紹介しましょう。

排気量を調べる方法は2つあります。
・車検証でチェック
車検証には様々な情報が記載されています。車のメーカーと分類、重量、所有者に関する情報などです。そして、排気量も記載されています。

・諸元表でチェック
諸元表は自動車だけでなくあらゆる工業製品に対し、性能や仕様を表にまとめたスペック表。自動車の諸元表には車名、型式などの基本情報に加え、排気量も明記されています。
諸元表は各自動車メーカーのホームページからダウンロードすることができます。

軽自動車を所有なら税率は一律

さて、軽自動車を所有している、または購入予定の人にとってはこの税率は適用されないことを解説しましょう。
そもそも軽自動車には軽自動車税という、自動車税とは異なる税が課せられます。課税主体も都道府県ではなく市区町村です。

軽自動車は排気量660ccまでの車です。
しかし、排気量によって税率が決まる自動車税と違い、一律の税額が設定されているのです。
その税額は10,800円(年間)。自動車税で一番安い29,500円(1リットル以下)と比べると相当安いということが分かります。
軽自動車人気は都道府県別にみても、軽自動車の保有率が50%超、40%超が大多数を占めています。
軽自動車税の税額も人気のひとつの理由と言えるのかもしれません。

引用元:ウィキペディア軽自動車

知っておきたい(1) 13年を超えた車に課せられる増税

車の維持費のなかでも自動車税は大きいものです。車を使う楽しさや利便性には納得でも税金が負担になると感じる人は多くいます。
そんななか、古い車にはさらに税が課せられる制度があります。

古い車とは新規登録から13年を超えた車(13年~18年)と18年以上という2つの段階に分けています。13年を超えた車では排気量に対する課税に15%上乗せになります。18年以上ならさらに課税されます。
例えば、
「1リットル超~1.5リットル以下の排気量」が30,500円のところ、13年超の車の税額は約35,000円です。

古い車にさらに課税されるその理由とは何でしょう。
この制度は、一定年数を経過した車が環境を配慮しているかという観点から排出ガスや燃費という車の性能が考慮されています。
このため、13年を超える古い車でもハイブリッドカーなどは増税の対象ではありません。
そこで、次のエコカーに対する減税という話に進んでいきます。

知っておきたい(2) エコカーに課せられる減税

現代はどのような分野でも環境を配慮することが主体となっています。自動車業界にしても同様で、二酸化炭素を減らすアイデアが多く取り入れられています。電気自動車、ハイブリッドカー、クリーンディーゼルカーなどに加え、車の生産にもソーラーパネルによる太陽光発電などを利用する取り組みも進められています。

自動車税に関しても例外ではなく、環境に優しい車対象に「グリーン化税制」という減税の特別措置が取られています。逆に排気量が大きく、環境負荷の大きい車には税率を重くするという制度です。

※グリーン化税制とは?
「排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて、自動車税・軽自動車税を軽減するとともに、新車新規登録等から一定年数を経過した自動車に対して自動車税・軽自動車税を重課」

引用元:国土交通省「自動車関係税制について

車の排気量によって決まる税額まとめ

・排気量とはエンジン内部シリンダー内の容積によって使用する空気と燃料の量
・自家用乗用車は排気量によって異なる税額が設定される
・軽自動車は一律の10,800円
・排気量の大きさや車の古さによってさらに増税
・環境に優しい車対象で減税の特別措置がある

車の購入には人それぞれ選ぶポイントがありますが、排気量と税を考えた上で選ぶこともありでしょう。そのことが環境に配慮した行動につながるという意味でも大きなものだと言えるのではないでしょうか?

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