車の税金まとめ。4つの種類と税額はいくらなのかについて解説

車を所有する人はメンテナンス同様、税金について関心を持つことが大切です。
車の税金はひとつではなく、自動車を購入する時にかかる税、毎年納める税などあり、これらは国や地方公共団体が行なう公共サービスなどの財源になります。
車の税金は自動車を公道で走行させる、言ってみれば会費と言えます。
会費を払わなければそのサービスを利用することはできませんし、自分の会費がいくらなのか知ることは当然ではないでしょうか。

そこでこの記事では、どのような種類の税金があって、それぞれいくら支払うものなのか解説をします。
愛車にかかる税金、この機会にぜひ理解しましょう。

目次

車の税金4種類を紹介

車にかかる税金は4種類です。

  1. 自動車税または軽自動車税
  2. 自動車重量税
  3. 環境性能割
  4. 消費税

以下、それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

自動車税または軽自動車税

自家用乗用車には自動車税、自家用乗用軽自動車には軽自動車税が自動的にかかります。自動車税は都道府県、軽自動車税は市区町村の財源になります。
2019年10月1日以降、自動車税種別割・軽自動車税種別割と名称が変更になりました。
「自動車税」は、車の排気量によって10段階の異なる税額が設定されており、排気量が大きくなればなるほど税額が高くなります。税額に関しては後ほど紹介しましょう。
「軽自動車税」の方は、排気量に関わらず一律の税額が設定されています。

自動車税、軽自動車税とも、年に一度という頻度で課税されます。
課税されるのは4月1日時点の車の所有者です。所有者に「納税通知書」が送付されるので、それを元に金融機関やオンラインなどしかるべき支払い方法で納付します。
納付には支払い期限があり、一般的には5月末、都道府県によっては6月というケースがあります。
納付期限を過ぎてしまうと延滞金がかかったり、最終的には車の差し押さえといった厳しい措置が取られます。

古い車はさらに課税される制度

自動車を新規で登録してから何年経過しているか年数によって、さらに課税される制度があります。古い車とは13年以上経過した車、古いガソリン車では約15%の重課です。
この制度は環境を考えた政府の政策によるものであり、ハイブリッドカーなどは対象外となっています。

エコな車なら減税されるグリーン化税制

自動車税には「グリーン化税制」という制度があり、対象車には減税措置が講じられます。対象車とは、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車であり、電気自動車やハイブリッドカーなどです。

自動車重量税

自動車重量税は、車の重さに準じて課税される税金です。
車検を受けるタイミングで納付をします。従って、納付は毎年ではありません。
車検は車を新車で登録してからまず初回が3年度、その後は2年ごとに行なう検査です。中古車であれば購入時から2年目に初回の車検、それからも2年ごとに行なう必要があります。
自動車重量税の納付のタイミングも、車検時に次の車検までの年数分の自動車重量税をまとめて支払いします。

車の重さによって課税される自動車重量税では、税額は0.5トン刻みで設定されています。0.5トンごとに4,100円の計算です。
軽自動車であれば軽自動車税と同様で一律の税額が設けられており、その金額は3,300円です。

古い車はさらに課税される制度

自動車税と同じく、自動車重量税でも13年超えの車には増税という制度があります。その税率は約40%増とかなりの増税となっています。
軽自動車でも13年越えであれば約24%増が課税されます。
13年超の次には18年超で更なる重課があります。

エコな車なら減税されるエコカー

自動車重量税に対し、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車に減税・免税する制度がエコカー減税です。2021年5月1日~2023年4月30日の適用期間内で、新車の新規登録を行なう場合に1回きりで適用されます。この制度は中古車には適用されないのでご注意ください。
エコカー減税の基準に達すると車検証には「基準達成車」と記載、車には「低排出ガス車」「2030年度基準 燃費優良車」と書かれたステッカーを貼ることができます。

環境性能割

車と環境については大気汚染で大いに懸念される問題への対策が世界で講じられています。例えば、イギリス・ロンドン中心部では2019年4月8日、「超低排出ゾーン」の適用が開始されました。この税は2003年からすでに適用されていた渋滞税に加えて課金されることになりました。
一般社団法人 日本自動車工業会のウェブサイトにも「クルマと環境」というページがあり、排出ガスや環境対策などの取り組みが紹介されています。

環境性能割は2019年10月1日以降、それまでの自動車取得税が廃止され導入された税金です。この税金は車を購入時、環境性能に応じて支払い、新車・中古車を問わず対象となっています。
電気自動車は非課税、自動車の燃費性能に応じ自家用車の3%が最大の税率です。

消費税

生活するなか、商品の購入やサービスの利用などすべての取引に課税される間接税が消費税。
1989年4月1日、日本で初めて導入されたのが3%の消費税です。1989は平成元年です。以前は日本には消費税がなかったわけですが、若い世代には想像できないことではないでしょうか?
その後、1997年に5%、2014年に8%と引き上げられ、現在は2019年10月から導入された10%(食料品や新聞は8%のまま)です。

この消費税が新車・中古車を問わず、車の購入時に本体価格(付属品含む)にも課税されます。
車は大きな買い物です。消費税額が10%に引き上げられた2019年10月に環境性能割の導入時に自動車取得税が廃止されたのも消費税との二重課税だという観点から問題視されていたためです。

ここまで、車にかかる4種類の税金「自動車税または軽自動車税」「自動車重量税」「環境性能割」「消費税」について解説しました。

日本国憲法第30条では「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と定められています。税金は国を維持し、発展されていくために欠かせないものです。

しかし、車を所有するオーナーにとって税金の負担は相当なものと言えます。
次からはこれらの税金がいくらなのか、消費税以外の具体的な税額や税率について解説します。

いくら?自動車税/軽自動車税

自動車税または軽自動車税の税額は排気量によって決まります。
愛車の排気量は車検証や諸元表で確認することができます。
毎年、納税通知書が届くまでいつ?いくら?とあまり意識されてない人もいるかもしれませんがこの機会にぜひ理解しましょう。

<自家用乗用車の自動車税/年>
税額は2019年9月までに購入した車対象で ( )内は2019年10月1日以降に購入の車対象の額です。
例えば、2018年に購入であれば、その車を所有し続ける間は”2019年9月までに購入した車対象”の税額を支払うことになります。
比較すると税額が引き下げたことが分かりますが、これは2019年10月1日の消費税10%引きあげに伴って取られた措置となります。排気量の小さい小型車ほど、年間最大4,500円と大きく減税されています。

1リットル以下 29,500円(25,000円)
1リットル超~1.5リットル以下 34,500円(30,500円)
1.5リットル超~2リットル以下 39,500円(36,000円)
2リットル超~2.5リットル以下 45,000円(43,500円)
2.5リットル超~3リットル以下 51,000円(50,000円)
3リットル超~3.5リットル以下 58,000円(57,000円)
3.5リットル超~4リットル以下 66,500円(65,500円)
4リットル超~4.5リットル以下 76,500円(75,500円)
4.5リットル超~6リットル以下 88,000円(87,000円)
6リットル超 111,000円(110,000円)

<自家用軽自動車の軽自動車税/年>
一律 10,800円

※購入時の節税ポイント
自動車税または軽自動車税は4月1日が起点となるため、購入時にのみ1ケ月分の税金を節税することが可能になります。
・3月31日の新規登録→12ケ月分(翌月4月~翌年3月)
・4月1日の新規登録→11ケ月分(5月~翌年3月)

「自動車税/軽自動車税」13年超えの車の場合

古い車には増税される制度となっています。自動車税/軽自動車税はどのような重課になっているか紹介しましょう。
ハイブリッドカーなどエコカーは対象外です。

<自家用乗用車の自動車税/年>
自動車税では、11年超のディーゼル車、13年超のガソリン車・LPガス車に概ね15%の重課です。

ここで、13年未満と13年超の車の税額を比較してみましょう。
13年未満=2019年9月までに購入、新規登録した車とします。
※ ( )内が重課の税額

1リットル以下 29,500円(33,900円)
1リットル超~1.5リットル以下 34,500円(39,600円)
1.5リットル超~2リットル以下 39,500円(45,400円)
2リットル超~2.5リットル以下 45,000円(51,700円)
2.5リットル超~3リットル以下 51,000円(58,600円)
3リットル超~3.5リットル以下 58,000円(66,700円)
3.5リットル超~4リットル以下 66,500円(76,400円)
4リットル超~4.5リットル以下 76,500円(87,900円)
4.5リットル超~6リットル以下 88,000円(101,200円)
6リットル超 111,000円(127,600円)

このように、大切に乗る愛車が新車の登録から13年を超える場合、急に税額が高くなります。この機会に買い替えを考える人が多いことも理にかなっていると言えるのかもしれません。

<自家用軽自動車の軽自動車税/年>
軽自動車税では、13年超で概ね20%の重課となっています。
一律 10,800円 → 13年超12,900円

「自動車税/軽自動車税」グリーン化税制の場合

エコカーへの優遇措置では自動車税が概ね50%~70%、軽自動車税では概ね25%~75%もの減税があります。

自動車税の場合は以下になります。
2020年度基準+10%達成の車 概ね50%減税
2020年度基準+30%達成の車 概ね75%減税
次世代自動車 概ね75%減税

軽自動車の場合は以下になります。
2020年度基準+10%達成の車 概ね25%減税
2020年度基準+30%達成の車 概ね50%減税
次世代自動車 概ね75%減税

いくら?自動車重量税

続いて、自動車重量税になります。
車両重量が0.5トン刻みで設定される税額は、以下のようになっています。
※金額は1年あたりです。次の車検までの年数の分をかけた金額が実際の税額になります。

0.5トン以下 4,100円
~1.0トン 8,200円
~1.5トン 12,300円
~2.0トン 16,400円
~2.5トン 20,500円
~3.0トン 24,600円
軽自動車については3,300円になります。

「自動車重量税」13年超えの車の場合

自動車重量税では、13年超そして18年超の車に2段階の重課が設けられています。
それぞれを比較してみましょう。

0.5トン以下 4,100円→ 5,700円 (13年超), 6,300円 (18年超)
~1.0トン 8,200円→ 11,400円 (13年超), 12,600円 (18年超)
~1.5トン 12,300円→ 17,100円 (13年超), 18,900円 (18年超)
~2.0トン 16,400円→ 22,800円 (13年超), 25,200円 (18年超)
~2.5トン 20,500円→ 28,500円 (13年超), 31,500円 (18年超)
~3.0トン 24,600円→ 34,200円 (13年超), 37,800円 (18年超)

「自動車重量税」エコカー減税の場合

もし乗っている車が電気自動車、ハイブリッド、低燃費・低排出のガソリン車などであればエコカー減税の対象になり大きな軽課を受けられます。
こちらも一般の税額との比較をしてみましょう。

0.5トン以下 4,100円→ 2,500円
~1.0トン 8,200円→ 5,000円
~1.5トン 12,300円→ 7,500円
~2.0トン 16,400円→ 10,000円
~2.5トン 20,500円→ 12,500円
~3.0トン 24,600円→ 15,000円

これらの税額は本則税率であり、燃費基準や排出ガス規制の達成割合に応じた率が用意されており複雑です。
お乗りの車税額を調べたい場合は、以下の国土交通省「次回自動車重量税照会サービス」をご利用ください。
国土交通省「次回自動車重量税照会サービス」:
https://www.nextmvtt.mlit.go.jp/nextmvtt-web/

いくら?環境性能割

車を購入する際に支払う税金で、新車だけでなく中古車も対象です。本来、2020年9月末までの措置だったところ、COVID-19による経済政策として2021年12月末まで延長となりました。

非課税もあり、電気自動車、クリーンディーゼル車、プラグインハイブリット車、燃料電池自動車、天然ガス自動車であればこの税金の対象外です。

普通自動車:
2015年度燃費基準達成率→3%の課税
2020年度燃費基準達成率→達成で2%、+10%で1%の課税、+20%なら非課税

軽自動車:
2015年度燃費基準達成率→2%の課税
2020年度燃費基準達成率→達成で1%、+10%と+20%なら非課税

環境性能割で抑えておきたいポイントを紹介しましょう。
・車本体の価格が50万円以下の場合、環境性能割は課税されない。
・相続による車の取得のケースでは課税されない。
・ローン完済による取得には課税されない。

「車の税金」4つの種類と税額まとめ

車には1. 自動車税または軽自動車税、2. 自動車重量税、3. 環境性能割、4. 消費税という4つの税金がかかります。
税額は普通自動車と軽自動車で分けられること、排気量や重量、または登録から13年以上で重課、エコカーのタイプなら軽課という設定が主なものと言えます。
この記事をお読みになって愛車の税金についてのご理解が深まり、今後車を購入する際の選び方にお役に立てていただければ幸いです。

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